- 2017.01.16
- お役立ち医療情報
疲れた胃を労わる食事
新町病院 管理栄養士 中沢 公美
12月~1月にかけ、忘年会や新年会でお酒を飲む機会も多く、また、お正月で食べ過ぎたりして、この時期胃が疲れているなと感じている方もいらっしゃると思います。このような時は、疲れた胃を労わるために「胃にやさしい食事」を心がけましょう。
胃にやさしく負担をかけないようにするためには、まず消化の良い食事を摂るようにしましょう。消化の良い食べ物の代表的な物はおかゆやうどんのような炭水化物で、脂肪やたんぱく質に比べて胃にとどまる時間が短く消化が良い食べ物です。やわらかく調理することでも消化が良くなります。逆に油は消化に時間がかかり胃に負担をかけますので、揚げ物や炒め物など脂っぽい料理は控えましょう。油を使わない「煮る・ゆでる・蒸す」調理方法がおすすめです。また、肉や魚は脂肪が少ない部位を選びましょう。肉は赤身肉や鶏肉、魚は白身魚が良いでしょう。
次に刺激の強い物は控えましょう。刺激の強い物とは、唐辛子やわさび・キムチ・カレーなどの辛い物、梅干し・酢・レモンなどの酸っぱい物、漬け物などの味の濃い物です。これらの食品は胃液が出ることを盛んにしますので弱った胃の粘膜を荒らします。また、アルコール・炭酸飲料・コーヒーも刺激が強いので控えましょう。熱すぎる物、アイスクリームなどの冷たすぎる物も胃に刺激を与えますので控えるようにし、熱い料理は少し冷ましてから食べると良いでしょう。
食べ方のポイントは、少しずつゆっくりよく噛んで食べることです。唾液にも消化酵素が含まれていますのでよく噛むことで消化を助けてくれます。また、夜遅い時間の食事や寝る前に食べることは就寝までの時間が短くなり、胃に負担を与える原因になります。規則正しい時間に食べるようにし、腹八分目を心がけましょう。食事の前に牛乳を飲むこともおすすめです。胃の粘膜に膜を貼ってくれるので胃を守ってくれるはたらきがあります。胃腸の調子が悪く心配なようでしたら無理せず医師に相談しましょう。