JA長野厚生連 南長野医療センター新町病院

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お役立ち医療情報

2023.02.15
お役立ち医療情報

体を動かすほど脳を育てる! 

体を動かすほど脳を育てる!

リハビリテーション科 理学療法士 望月  春輝

皆さんは近年、最強の脳物質といわれるBDNF(脳由来神経栄養因子)という伝達物質をご存知でしょうか。

BDNFは脳機能の向上を助けてくれるタンパク質の一種です。BDNFの主な役割は①脳細胞の保護・成長促進、②脳の可塑性の促進(老化を遅らせる)、③脳の細胞間の連結強化(学習・認知機能の向上)があります。運動することによってこの物質が脳に行きわたることが知られています。身体を動かすことによって、多くの脳機能が活性化されるのは、このBDNFが深く関わっているのです。

ある研究によるとエクササイズをすると、特に記憶力を司っているエリアである、大脳辺縁系の海馬でBDNFが増え、活性化することが現代科学において証明されています。

そのため、運動によって脳が活性化すると同時に、記憶力の向上、老化による海馬の委縮を防ぎ、歳を重ねた際に脳機能の低下から発生する認知症などのリスクを軽減させることが可能です。さらに、BDNFの生成量が増えた状態では学習面や創作活動にも恩恵を与えることが知られていることから、大人でも子どもでも欠かせない脳の天然肥料と称されます。加えて、うつ病などへの効果も示唆されており、BDNFを脳へ送り込むことはメンタル的な改善にも役立つとされています。

また、運動はストレスに対する抵抗力を高めてくれます。

人はストレスを感じるとコルチゾール(ストレスホルモン)を分泌し、様々なストレス反応が生じ、脳機能にも悪影響を及ぼします。運動も一種のストレスとなりコルチゾールの分泌量が増えますが、運動が終わると運動前のレベルまで下がります。しかし運動を習慣づけると、運動している間のコルチゾールの分泌量が増えにくくなり、運動を終えたときは減りやすくなる。そして、定期的に運動を続けると、運動以外のことが原因のストレスを感じた時にもコルチゾールの分泌量はわずかしか上がらなくなっていき、ストレスを感じにくくなります。

さて、身体を動かせば心身が健康に、脳の働きは強化されることをお伝えしましたが、個々人で適当な運動は異なります。運動で大事なことは、心拍数が上がる有酸素運動(持久系トレーニング)をすることです。

運動を習慣にさせるコツは、予定を決める、記録をつける、仲間をつくる、宣言する等があります。

2023年は週2~3回、30分のランニング(または散歩)を習慣にしてみませんか。

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